西洋人の置き土産
イギリスが1877年から1947年もの間インドを統治していた、もちろんその前200年は東インド会社による支配があったが。イギリスに限らずポルトガル、フランスなどヨーロッパの国々にとってインド貿易は欠かせないものになっていた。
食べ物でどのような影響をインドが受けたのかを少し調べてみた。新大陸(南北アメリカ)からもたらされたジャガイモとトマト、チリはインドの人々の食生活を豊かにし、料理の幅を広げたのではないだろうか。そのジャガイモの食べ方で面白い話を見つけた。イギリスに留学していたガンジーがイギリス人はただボイルしただけのジャガイモを食べるとびっくりしたそうだ。味の無い物をよく食べると!!インド人には考えられない事だったようだ、いや日本人にも考えられないが。
その位にイギリス人は料理に関しては創意工夫をしないらしい。おのずとイギリス人による食に関するインドの支配は出来なかった。
イギリス人はインドからカリーという食べ物を始め、いろいろインドの食を本国に持ち帰りイギリス風インド料理やカレー粉なる物まで作りインド料理をイギリス料理の一つとするようになった。
インドは300年程の間ポルトガル、スペイン、イギリス、フランスなどの国々の影響及び支配を受けていたが(最後はイギリスの植民地になるが)料理に関する限り西洋の支配は得にイギリス人の支配は受け付けなかったようだ。
だがポルトガル人とフランス人からの料理の影響は残っている。ポルトガル人の菓子作りの上手さやフランス人の料理の上手さはインド人にとっても美味しかったのだろう。
私もポルトガル人が支配していたゴアで美味しい焼き菓子を食べたし、キャラメルカスタード(プリン)もとても美味しかった。ポルトガル人がインドに残した美味しいお菓子の一例である。
フランス人はと言えば、タミルナンドゥー州の中にあるポンディチェリー州(本当に小さい州でタミルナンドゥー州の中に浮島のように存在する)は今でも公用語がフランス語だ。
泊まったホテルのレストランで食べた魚のグリルのソースの美味しかった事!!!なんだ!!この旨さはと、一緒に行った友達と唸ったものだ。
ポンディチェリーの美味しい料理も今度紹介しなくては、私がインドで食べた料理の中でナンバー1の美味しい料理を出すのがポンディチェリーだと思う。
イギリス人の何か置き土産は無いのかといろいろ聞いてみたが食べ物では無かったがお酒はあった。ラム酒にウイスキー、ジン、それとビール。これらのお酒は今でもインドで作られている。
イギリス支配それ以前のムガル人の支配下で、インド人はムガル料理の影響を強く受けて、大事なインド料理の数々になっている。
パン粉で揚げているものをインドではカットレットと言う。本当は子牛などの肉を薄く切り、パン粉をまぶして油で焼いたり揚げた物をカツレツ又はカットレットというが、インドでは何故かパン粉をまぶして油で揚げて料理したものをカットレットと言う。
もちろん、ポルトガル人もしくはフランス人がインドに住んでいる頃に家のクックに作らせた料理の名残である。
日本でも明治時代に肉の薄切りをパン粉にまぶして揚げた物をカットレットと言う。今では「とんかつ」という日本料理になっている。
インドはベジタリアンが多いのでインド人が作るのはもっぱら日本でいうコロッケであるが、なぜかカットレットと今でも言っている。
イギリスと言うよりインドにおける西洋人の置き土産的な食べ物の一つだ。
今日作るカットレットを初めて目にしたのは、チェンナイのシェラトンホテルのランチブッフェだった。
「へー、インドにもコロッケがあるんだ」
もちろん、イタリアンもあれば中華料理もあるがこのブッフェはインド料理のブッフェ。これはインド風コロッケと言ったほうがイメージ出来るのではと思った。
簡単なので一味違うインド風ポテトコロッケを作ってみる。
材料
ジャガイモ 中1個
新タマネギ 中1個(柔らかく炒めやすい)
ニンニク 2片
生姜 2㎝角
グリーンチリ 1本、小さければ2本(種を取る)
ツナ缶 1缶(大)
胡椒 少々
マスタードシード 1/2teaスプーン
塩 1teaスプーン
油 3tableスプーン
卵、小麦粉、パン粉(衣用)
作り方
① ジャガイモを皮ごと茹でてから、皮をむいマッシュしておく。
② タマネギ、ニンニク、生姜、グリーンチリを細かくみじん切りにしする。
③ フライパンに油を入れ熱してから、マスタードシードを入れてパチパチと成ったらタマネギ、ニンニク、生姜、グレーンチリ、塩を入れて炒めて皿に移しておく。タマネギが透き通るまで。
④ ツナ缶の油を切ったものをマッシュポテトと炒めたタマネギなどとボールに入れて混ぜ合わせ、塩で味をつける。
⑤ ゴルフボール位の大きさに丸めて、小麦粉、溶き玉子、パン粉の順にまぶす。
ポイント
★ 新タマネギを使うと炒める時間が早い。
★ 揚げる時の注意は菜箸でコロッケに傷を付けないように気を付けてひっくり返す。