インド旅行記 Desert Country編

インド旅行記 Desert Country編(タール砂漠)6 「Jodhpur(ジョドプール)」

これまでの旅行経路

 

(今回の目的地 ジョドプール)

2月7日(木)

朝9:00 ジョドプールに出発。今日も長いドライブだ、290キロを走る
砂漠の三角地帯 ビカネール、ジャイサルメールそして最後ジョドプールに向かう。

体調が昨日より悪い、車の中で、寝なくてはと思うのだが、道の整備が悪くガタガタと揺れる。この揺れという物がこんなに体に負担をかけるとは知らなかった。寝る事もままならない。

途中の休憩でチャイを飲みホットひと休み。お腹が空いていたが、ここで食べる気にならず、チャイだけ。
中庭のようになった場所にテーブルが4ツ置いてある。隣がドイツ人の夫婦、向こうにフランス人の中年カップル。フランス人が会計の時に値段が高いと文句を言っていた「この僻地で水洗トイレもあり、チャイが飲めるだけでもありがたいと思わなくては。とつぶやく私。
車に戻る、「後120キロだ、頑張ろう」言い聞かせる。
ジョドプールのホテルは最高級ホテル!!正真正銘マハラジャパレスだ!!
ジョドプールに近づくにつれ戦闘機の爆音が聞こえてくる。ここジョドプールには国境警備軍の空軍基地があるからだ。

ジョドプールの街並み

ジョドプールの街にはいる。
ここは今までの砂漠地帯と比べ、とても大きい街である。

ジョドプールは中世に城塞メヘランガールが建設され、その周りを石造りの高い城壁で囲み栄えた街だ。


メヘランガール城塞は直角に切り立つ台地の上に立っている。

大きさは5キロメートルにもおよび、高さは125メートルもある。
城壁の中にはいくつかの宮殿があり、

宮殿の中にある部屋。

(夏の部屋)

(会議の間)

(謁見室)

象の鞍や黄金の籠なども飾られている。

(黄金の籠)

(象の鞍)

城壁のほど近い場所にはジャスワン・ターダという白い大理石で作られたマハラジャ家のための霊廟もある。
 

そしてジョドプールはブルーシティーと呼ばれている。「旧市街の家の壁を青に塗るように求められているからだ」とガイドが言っている。

ジョドプールはラジャスタン州で2番目大都市

由緒正しきホテルに宿泊

今日泊まるホテルはUmaid Bahwan Palace(ウマイド・バハワン・パレス)という由緒正しき、そして1929年に完成したインドで一番年代の新しいパレス
このパレスの建設には深い訳がある。20世紀初頭、この辺りを大きな飢饉が襲い、飢饉に見舞われた市民たちを救うため、マハラジャは新しいパレス建築を始めた。その建築にかかった月日は20にも及び、そのおかげで市民たちは救われたのだとか。
マハラジャは市民に仕事を与え続けたと言う事だ
その壮大なパレスは今までのパレスとは違いもっとも近代建築に近い野で、館内は快適で素晴らしい建築物だ。

パレスの半分をタージホテルに運営させ、半分をマハラジャの家族が居住している。
建物は中心をドームにして左右対称の砂岩造りの荘厳かつ優雅な建築物。
中の装飾はさすが1929年の建物らしく、アールヌーボーの装飾がここかしこに散りばめられている。シャンデリア然り、家具調度品など素晴らしいものである。
JAIさんがチェックインをしている間、素晴らしい猫足のアールヌーボーのソファーに座って待っている私。高いドームの天井のステンドグラスもそれはまたシンプルな美しさ床に使われている大理石のはめ込み模様の言うに言われぬ優しさのある美しさ

今まで見てきたパレスはこのパレスよりもっと贅を尽くしているのだが、この新しさと実際に使われ、今現在も息をしている建築物には勝てないと思う。
部屋はというと、これまた美しいアールヌーボーの家具に調度品で統一され、アールヌーボーの時代のパリの高級アパートメントに居る錯覚を覚える。

まだデイナータイムには時間がある。
庭園に面したテラスが、カフェに使われており、そこでコーヒーを飲む。
からだの調子が今一つ、いいえ今二つは良く無いがこの美しい庭園を眺めながらインドの摩訶不思議を思う。
昨日はジャイサルメールの砦の上から砂漠の街と砂漠を眺めていた。そして、今日は同じ砂漠の街でありながら、この英国式庭園を眺めている

まだ1日しか過ぎていないと云うのに!!!!!そして同じ砂漠地帯なのに。
なんて、考えている間に陽が傾き、夕日に変わっていく。

このホテルで働いている人は、タージホテルのスタッフと、マハラジャの元使用人
マハラジャの元使用人の恰好は、頭にターバンを巻き、ズボンジョッパーズパンツ(乗馬ズボン)を穿いている。
タージホテルのスタッフはスーツ姿。
「何故ジョッパーズを穿いているの??Jodhpurs、ジョドプール!!」なんてジョーク!?
(ジョッパーズとは、ブーツをはきやすいように、デザインされた乗馬パンツのことをいう。膝上が外側に大きくふくらみ、ゆったりとしたデザインで、膝下から足首にかけてスリムになっている。
どうして乗馬パンツを穿いているのかを調べてみる
1897、ジョドプールのマハラジャの息子のプラタープ・シンはビクトリア英国女王の即位60周年に招かれた
プラタープ・シンはポロ競技のインドチームも引き連れ英国に行く
英国でのポロの試合の時、インドチームが穿いていたパンツが、英国貴族の間でとても話題になる。インドの選手が穿いていたパンツとはインドのラジャスタン地方のチュリーダール(Churidarと呼ばれているパンツだった。
このポロの試合後、英国でこのインドの選手の穿いていたパンツ乗馬をすること当たり前になる。
というわけで、Jodhpur(ジョドプール)から生まれた、ジョッパー、ジョッパーズパンツ。
このホテルのマハラジャの使用人が、なぜジョッパーズパンツを穿いているのかが、理解できる。乗馬ズボンはジョドプールのマハラジャが英国に広めたのだから!!

総料理長のお勧めの料理

日も沈み、着替えてダイニングルームへ。
ダイニングはマハラジャが使用していたダイニングルームをホテルのダイニングルームに。
シャンデリア輝く豪華な雰囲気の中、テーブルへ。

何を食べようかと真剣にメニューを見ていると、ダイニングキッチンの入口に
ビシッと糊の効いたコック服を着た、立派な男がダイニングを見渡し、目はキョロキョロ!!誰かを探している素振り。
その時彼と目が合った。
ツカツカと私たちのテーブルに歩いてくる。
「Mr ムールティ?」と主人に聞く。
「Yes,I am」と主人。
何が起こっているのかな?と私。
Mr Kapoor ことカプールさんはマハラジャの友達だ。
カプールさんはムールティ夫妻が、このホテルに泊まる事をマハラジャに連絡してくれていたのだ。
「日本で一番古いインドレストランのオーナーでインド独立の為に戦った、
チャンドラボーズと、とても近い人だから」というコメント入りで。JAIさんの事をマハラジャに紹介していたらしい。
「マハラジャはムンバイに居り、留守にしていて会えない
だが料理には深く関心があるだろう夫妻のために、総料理長料理の説明に行くようにとマハラジャが気を使って手配してくださったのだとか。」カプールさんありがとう!!
総料理長のお勧めは、やはりラジャスタン料理。
選んだ料理はこのホテル一押しタンドール窯で焼くチキン、ラム肉、ブロッコリー。
カリーはマトンのラジャスターニ・小麦粉から作るグルテンのカリーの2品。
グルテン(日本の生麩の感じ)のカリーはビカネールでも食べたラジャスターニ料理。


ブロッコリーのタンドール焼きの辛さにびっくり!!
総料理長の説明ではマスタードオイルの辛さだそうで、チリやペッパーの辛さとの違いは歴然だ。(日本の練からしの辛さがそのまま薄れることなく、口に入った感じ。)
料理はすべて美味しく頂きました。
デザートにはレモンシャーベットのチリ風味!!

私はココアにもチリパウダーを少し入れアクセントをつけるので、このレモンシャーベットのチリ風味は気に入った。これも帰ったら試しましょう!!
もっと写真を撮りたかったが、なにせ優雅な客に囲まれていては、パチパチとは出来ません。ダイニングルームはキャンドルライトだったし~私も優雅に食事を味わいたかった~などなど理由は別としまして…..。

この夜は大きなバスタブゆっくりゆったりと入って寝る。

少し熱も出てきたようだ。困った!!

2月8日(金)

朝、咽喉の痛みで目を覚ます。あ~あ!咽喉は痛いは咳は出るは!!
だが幸いなことに、お腹は空いている。
ブレックファーストはテラスで英国式庭園を眺めながら、気持ちの良い朝食を頂く。
芝生に幾何学的な芝生を植え、ツツジを人間大の大きさに丸く刈り込んであると思いきや、
その植木はハイビスカス
まるで箱根の「山のホテル」の庭のツツジを思わせるほど立派なハイビスカスのツツジ風カッッテイング!!
朝食に来ている宿泊客のこれまた身に着けている物の良質なこと!!
たかがTシャツ、されどTシャツの世界。たかがコットンパンツ、されどコットンパンツ。
ユニクロの世界はここにはありません!!!
おいしいコロワッサンと美味しいジャムとバター!!おいしく入れたミルクテーを優雅ではなく、私の場合はボーと頂きました。

今日の私は観光には行かず、ホテルで休む事に。
JAIさんだけ観光に出かけた。
先に載せた写真はJAIさんが撮ってきた物だ。

 午後3時ごろJAIさんが素敵なお土産を持って帰ってくる。
その土産はミニチュアペイント(細密画)。ラジャスタンは宮廷アートのミニチュアペイント(細密画)が有名で写真の画家の作品を購入した。

フェースブックに咳がひどくなっていると書いたら、すかさずカプールさんから電話がかかってきた。
それほど彼は私たちのこの旅行の事を気にかけていてくれていたのだ。ありがたいことだ。
「すぐにホテルのコンシェルジェに言って、ドクターを頼むようにね」とJAIさんに言う。
ドクターは20分ほどで来てくれ、聴診器を胸と背中に当て、トントンと胸をたたき
「はい、口を開けて」と言い、咽喉を見て..
「菌が肺に少し入ったみたいだね、薬を届けるから、ちゃんと飲んで、今日は寝ていなさい。」と言って帰った。
JAIさんとドクターが話していたが彼はマハラジャのホームドクターだとか。
とても背が高く、端正な顔立ちの紳士であった。(ケーリーグラントばりのいい男)
私はマハラジャのホームドクターに往診をしてもらったわけか!!凄いね!

おとなしくベッドで夜まで寝る。でもこのホテルで良かった。こんな素敵な部屋の素敵なベッドで寝ているなら、観光できなくても惜しくは無いから。

目が覚め、JAIはディナーを食べにレストランへ。
私はルームサービスでバジルのミネストローネを頼む。

スープの具はカップに、スープは別に、ポットに入れて持ってきた。
美味しそうなパンも一緒に。
初めて食べたバジルミネストローネ!?
「でもミネストローネってトマトがメインだわね~~」と首をかしげるが思考はそこでストップ考える力は無い!!とても美味。今度作ってみよう!!

JAIさんは、ダイニングルームが忙しく、ダイニングの席の用意が出来るまで、BARで待つことに。ローズマティーニを頼んだら、いろいろとつまむものが付いてきたそうだ。
それでお腹が満足したらしく、ダイニングに行かず戻ってきた。
ローズマティーニ?初めて聞いた!インドは何かとローズが多いからね、ローズウォータローズオイルなど~


ジョドプールは私の長い旅の休息日で終わった。
翌日の朝、総料理長と少し料理の話が出来たことが収穫だ。

 次の街は打って変わって湖の街、ウダイプールに向かう。

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