これまでの旅行経路
2月10日午後5時 ムンバイに到着。
ラジャスタンを巡る旅はデリーから始まり、ここムンバイで終わる。
3度目のムンバイ
ムンバイに来るのは今回で3度目だ。
空港の周りは相変わらずスラムに囲まれている。1年前に比べて見ると、スラムが段々と街の様相をしてきたように感じる。もちろん一目見て広大なスラムには違いないのだが、2階建てになっている家があったりして「え~~!!いいの、こんなスラムを進化させて!」
スラムには店もたくさんあるが、何か店も以前と比べてもっともらしくなっている。
だが、屋根はビニールシートが多い。やはりスラムだ。
行政がこのままスラムを放置しておくと、いずれここは街に変貌したりして!なんて考える私である。
スラムだからと言って暗さが無いのが凄い!!ここに住んでいる人は家賃を払い、ちゃんと勤めに出ている人が大勢いると聞く。仕事を求めて、ムンバイに来たが、安い家賃で住めるのはスラムしかないのが現状なのだろう。
郊外に住むのも交通インフラが良くない。鉄道の混み方は尋常ではない。
ムンバイはインド全体の産業、経済の中心地であるがゆえに、人が吸い込まれるように狭いムンバイに集まってくる。その結果がこの広大なスラムなのだろう!!
今回泊まるのはトライデントホテル。初めてムンバイを訪れた時に宿泊したホテルだ。去年はタージホテルに泊まっていたが、食事に立ち寄っているので、右も左も良くわかっている。良くわかっているホテルに泊まるのは気が楽だ。
私も主人もムンバイの街が好きだ。コロニアルスタイルの建物、スラム、高級ショッピングセンター、潰れかけの建物、海岸、インドの光と闇等々。人々が前に向って突き進んでいる姿、海外から仕事で来ているビジネスマン達、金持ちのモスリムの女性達、ムンバイの人模様が面白く、見ていて飽きない。
トライデントホテルの部屋は海に面しており、部屋からの景色はクイーンズネックレスと呼ばれる入り江。日が落ちるとネックレスみたいにライトが輝くことから、この名前で呼ばれている。
ホテルに着いたのがそろそろ夜の8時を過ぎようかとしている時間だ。
「お腹が空いた~~ディナーに行こうよ!!」
「僕は空いていないけど~」と主人は言う。なぜ?空いてないのだ!!
「ダメダメ、お腹が空いて気がふれそうだ~~」と私。
「どこのレストランに行く?」と仕方なく言う主人。
「下のイタリアンがいい!!美味しいでしょ!」
「そうだね、あそこは美味しいね」
という訳で、ホテルのイタリアンに行く。
私はどうにか風邪も収まり、元気を取り戻しつつあるが、逆に主人は疲れが出だしたようだ。無事にムンバイまでたどり着いたことで気が緩んだのかもしれない。だが私はお腹が空いてたまらない!!主人を無理やり連れだす。
私のオーダーは「ルッコラのサラダ」と「ラザニア」
主人はいつもの代わり映えしない「チキンテイッカ」だけ、とはいえ一人前の量が多いのでちょうどいい。
ルッコラのサラダにはグレープフルーツとフェタチーズが。一口食べて「ルッコラってこんなに肉厚で香りがよかったっけ~~?」と言葉を発するほどルッコラの葉っぱの美味しさに口をあんぐりしてしまう。この香りの強さと、フェタチーズの臭みと塩味、グレープフルーツのほのかな酸味に甘味がとても素晴らしいコラボになっている。
期待以上の美味しさに嬉しさ満点!!
ラザニアも濃厚なトマトソースにパスタ、チーズという事なしの一品。
インドワインも美味!!ここはさすがムンバイ!!大都市だ。
主人のチキンテイッカは2種類のチキンテイッカと3種類のソースが楽しさを引き出している。
ソースはグリーンチャツネ、チャイニーズソース(ドライフィッシュとピーナッツオイル、ガーリック)、オリーブオイル。
久しぶりに都会の洗練された料理を満喫。
2月11日
インドの大都市の5つ星ホテルの朝食ビュッフェは、半端では無く品数が多い。
フレッシュジュースもすべて搾りたて!!季節によって異なるが、常時5~6種類はある。
まずスイカのジュースとインドコーヒーで一息入れ、プレーンオムレツを頼み、焼ける間にハムやチーズを皿に取り席に戻る。
「今日の予定は?」
「ムンバイのナショナルアートギャラリーに行かかなくては!!」
主人の叔父から頂いた美術品の整理をしているので調べたいことがある。
もちろん、地元、チェンナイのナショナルアートギャラリーとはコンタクト取ってあるので、今回研究員の人と会うことになっているが、ムンバイでも見ておきたい。
「遠出はしたくないから、ナショナルギャラリーと去年行ったモールの中にある高級スーパーの様子を見に行きましょうか」と言う事でまずナショナルギャラリーに。
世界広しト言え、埃(ホコリ)をかぶっている国宝級の美術品はこのインドでしかお目にかかれないかも!!予算がないのか、どうしてきちんとした保管状態を作らないのか、分からないが、ガラスケースに入れてあっても、ホコリをかぶっている神々!!無造作に置かれている銅像、石像、青銅像、等々。
一応、国立博物館なのですが!?
深く考えても仕方がない。展示されている物は凄いものなのですがね~~
(ナタラジャ・シバ神が踊るとナタラジャと名前が変わる)
(パルバティ(地母神)シバ神の奥さん)
(ガンダーラ)
(ビシュヌ神・インド3大神の一人)
インド3大神
創造の神・ブラフマ
維持の神・ビシュヌ
破壊の神・シバ
ナショナルギャラリーを後にムンバイの高級モールに行く。去年、このモールのコメントをしたが、相変わらず空いている。だが、去年みたいに客を選んでいない。今は誰でも入っている。去年はガードマンに入館を断られている客が結構いた。
このモールの中にある食料品のスーパーは世界の大都市と遜色ない店。
どこの街に行っても食料品店には寄ってみます。
どこが高級なのか?商品が綺麗に並べられていて、通路に物が置いてない。もちろん商品の品数が豊富で新鮮なこと。
ランチに街のカフェへ。
このカフェもインドの匂いは全くしない。
女性もパンツスーツにPC,男性もスタイリッシュに決めている。NYのカフェで、たまたまITのインド人が集っている感じ!!
ここはインドです!!でもムンバイはムンバイかしら!!
旅の締めくくり
今回の旅は首都デリーから古都ジャイプールを始め、商館の街ナワルガル、砂漠の入口ビカネール、砂漠の真ん中ジャイサルメール、砂漠の出口にあたるジョドプール、湖の街ウダイプールと昔のシルクロードによって繁栄した街々を巡り、その土地の歴史からくる美と生活を見ることが出来た貴重な旅。
砂漠のど真ん中でも強く生き抜く人たち、その生活から沸き起こった芸術の数々、人の営みとはどんな力よりも強い事を知った。
生きる事、すなわちそれは美であることが分かっただけでも、私のこれからの人生の指針になる事は間違いない。
ドライバーのシンさん。無事に旅を終えることが出来たのは、シンさんの注意深い運転があってこそ!!インドに行ったことがある人なら知っているが、インド人の運転は凄いのです。良い意味ではなく、はっきり言えば怖い!!
シンさんは本当に安心して車に乗っていることが出来るドライバーでした。
街々で案内してくれたガイドも、みんな良く勉強していて、何を聞いても答えてくれました。余計なことは言わず、お土産屋にも連れて行かない、ガイドのプロでした。
この企画を進めるにあたってお世話になったMr Kapoor カプールさんにお礼を言う。
ドライバー、ガイド、行く先々での気使いなど全てを手配してくれた。
私たちの無理な計画にもきちんと対処をしてくれ、素敵な旅に仕上げてくれた。
本当に感謝の一言です。
個人で組んだツアーでしたが、私たちのような旅をしているご夫婦に何組も会いました。
フランス人、アメリカ人など外国の人達でしたが、私たちのようにドライバーと旅をしていました。
気の合った友達や夫婦でツアーを組んでいる人達も見ました。すべてヨーロッパやアメリカの人達でした。とても楽しそうで和気あいあいと気を許した友達地同士で、傍で見ている私達まで楽しさが伝わってきました。
個人でツアーを作るのも中々良いものです。行きたい場所やスケジュールなどいろいろ自由が効きますし、本当に行きたい場所を選べますから。時間に余裕のある方々は試してみたらいかがでしょう。