旅行経路
1月28日(日)
ホテルでの朝食は果物とシリアル。今日の午後はカルカッタへ移動する。フライト時間は午後の3時で、昼過ぎまでの時間を、ガイドのシンさんの実家訪問にした。
シンさんの実家はバラナシの郊外のマジガラビレッジ。
ブッタガヤからバラナシまでのドライブで見た、一面黄色の風景を目にして、何度も訪れているインドの春を初めて知る。その黄色の菜の花を小ぶりにしたような花は、マスタードの花だった。
南インド料理にはマスタードシードが欠かせないが、今回旅をしているこの地方、ビハール州(ブッタガヤ)やウッタル・プラデーシュ州(バナラシ)、これから行くカルカッタのあるベンガル州の料理にはマスタードオイルが欠かせない。
私がマスタードに興味を示すと、ガイドのシンさんが「僕の実家に行きますか。マスタードも作っていますよ。村にはマスタードシードを搾る機械もあるから、オイルを搾るのも見ますか。」と素敵な提案をしてくれたのだ。
「はい、行きます!!」と即答しました。
バラナシの中心部から車で30分走ったら、もう辺りは黄色のお花畑や、麦畑。
シンさんの弟さんが継いだ農家を訪問。お父さんは教師をしていたが、定年になったので先祖代々の畑に戻り、次男の家族と一緒に畑仕事を手伝い、自分の小屋を庭に建てノンビリと余生を送っている。(この自分の小屋を庭に建てる理由は、昔自分がしていたような生活を送りたいと言う気持ちだそうだ。主人の叔父も庭に小屋を建て、そこで寝ていた。
立派な家が目の前にあるのだが寝るときは小屋に行く。叔父の小屋の屋根はむかしながらの茅葺だったそうだ。)
家に着くと、大勢の人の出迎えに、少しビックリ。みんな興味津々の目で私達を見つめている。出迎えてくれたと言うより、好奇心で見に来たというのが正しいのかも。
シンさんのお父さんは優しいお顔で「よく来たね」と言ってくれる。素朴な農家の人たちに、間じかで会うのは初めての経験で、私も何か気持ちがうきうきとして来る。
今はダールの収穫とマスタードの収穫で忙しいそうだ。他にはヘナ、レモン、麦、ポテト、チャナなどを家族ように作っていると言う。
チークの木も大きく育っている。娘が嫁に行くときにこの木で家具を作って持たせるそうだ。麦畑やマスタード畑を歩きながら話しを聞かせてくれた。一面に広がる黄色の畑と緑の畑、それは心を和ませる美しい風景だ。
(麦畑)
(麦)
(ダールのさや)
(ダールの実)
自分の家で使うマスタードオイルは、村人用のためにある搾油機で各自が搾るという。
搾るところを見せてくれると言う、それはうれしいと案内してもらう。
機械の種を入れる所にマスタードシードを入れ、スイッチオン。唸り声のようなモーター音がしだすとトロッとした黄色いオイルが受け皿に落ち、マスタードの香りが漂う。おいしそうな匂いだ。
(搾る機械)
(マスタードオイルが出て来る)
だが使われている機械はというと油まみれ、この機械ではちょっとね~。日本人だったら使用した後はきれいに掃除するのだがな~、などと思いながら。
1回に10kgの種を搾り、出来るオイルは3kgだそうだ。
「搾っている間は見張っているんだ。」とシンさん。「どうしてかと言うとね、見張っていないとね、違う安い種を混ぜられてしまうのだよ。安い種が少しでも混じるとね、味が格段にまずくなるからね。市販のマスタードオイルは美味しくないよ。」
そりゃあそうでしょう、この上なくフレッシュなオイルを常に食べていれば。
シンさんが家の中を見せてくれると言う。これまたうれしいな~
キレイに掃除が行き届き、台所も整理整頓されている。穀物庫には大粋なブリキで作った筒が沢山置いてあり、その一つ一つにマスタードシードや豆類、米、小麦粉、麦などを入れ保存しているそうだ。
居間とも呼べる大きなスペースがあり、親戚の結婚などお祝いの時はこの土間を使うと言う。
家の前庭でハイビスカスの花を眺めながら、最後にコーヒーをご馳走になり少しおしゃべり。
お父さんの今の楽しみは、自分の小屋で好きな本を読むことだそうだ。平和な幸せな時間を過ごしていると、うれしそうに言っている。素晴らしい人生に万歳!
突然決まった農家訪問、個人旅行の楽しさの一つであり、醍醐味かな!楽しい時間を過ごしました。そろそろ飛行場に行く時間です。
次回こそ、カルカッタを書きます!!