ムンバイからチェンナイに
一年経っても、広大なスラム街は健在だった。
ムンバイ空港、着陸寸前の上空からの眺めは一段と貧富の格差を見せつける。高層マンションが立ち並ぶその中に、まだまだ存在感を誇示するかの様に広がるスラムにインドに来た事を実感する。
気負わない、何事も自然体で眺め、自分の価値観を封印しましょう。ここはインドです、と自分に言い聞かす。 それが出来なければ、ここでは疲れはてて過ごせない事をもう学びました、とは言っても中々そうは簡単には抑える事が出来ない事も分かっているのです。
主人曰く、「自分で選ぶのです」
どこに視点を置くかをそれが出来れば達観してインドを見つめる事が出来る。簡単ではありません。
国内線に乗り換えて、チェンナイへ
お隣の方、もう離陸しますよ、携帯切らないの?
お隣さんだけではありません、インド人って携帯が好き、何処でも彼処でも、ピロピロ、リーンリーン、にぎやかだ!!!(※ここは機内です。)
フライトアテンダントが注意をしに一応来ますが、なんのなんのアテンダントが近くまで来ると、携帯を切らずに隠す、行き過ぎると「じゃあね、着いたら掛けるから」と言ってやっと切る。
「まもなく、チェンナイ空港に着陸します、シートベルトはサインが消えるまで外さないで、完全に止まるまで席を立たないで下さい」と言う当たり前のアナウンスが流れる。
まだ飛行機はランプに着いていない、だが携帯を開く音がピロピロとあちこちから鳴り出す、飛行機が止まるころには、ほとんどの乗客はすでに立ち上がり荷物を上の棚から降ろし、携帯片手に話声が一斉に始まる。
最初のころはなんてマナーが……何て思ったが、話好き、ゴシップ大好きなインド人にとって(とても話が好き、上流家庭から下流家庭、男、女関係なく)携帯電話って本当に素晴らしい道具なのだろうネ(マンモハン.シン首相はとても寡黙だが)
チェンナイ空港の新築工事も5年の歳月をかけ、やっとすべての工事が完了していた。 でも、何か違うのです、センスが無いのか建築技術が未熟なのか?
空港に居る人々を撮りたかったし、新しくなった建物も撮りたかった。 多種多様なインドの人々が凝縮された縮図がここにはある。 残念ながら空港内は撮影禁止、観光地以外はカメラを向けるのがなかなか難しい。テロが頻発している国ですから。