今回はチェンナイの家での朝の様子を書きます。
チェンナイの家は樹木たくさんあり、ジャカランタがいっぱい咲いている素敵な庭がある家です。
でも家は変った建物で、中途半端なガウディって感じの3階建てです。
料理担当者の名前はインディラといい、無口でシャイな中年女性。
朝は「Good Morning Madam」から始まり、南インド特有のコーヒーを持ってきます。
私は朝の6時前にはもう起きています。インドでは早起きが必然となってしまいます。
どうしてかと言えば、朝は涼やかで気持ちが良く、
庭には何種類かのジャカランタが沢山あり、花が咲いている季節は色とりどりのジャカランタの花が香りを運んできます。
それと大きなバオバブの木が植えられていて(主人の従兄の話では65年はここにあるよと言っていました、季節になるといっぱいの白い小さな花を沢山つけます、それはそれは素敵なのです)
この木の下に小さなテーブルが置いてあり、ここでコーヒーが飲める随一の時間が朝6時頃、
この朝一番の涼しく、素敵なバオバブの下で飲む南インドコーヒーのそれは美味しく、何とも言えないジャカランタの匂いと朝のインドのすがしい匂いが私にとっての至福の時なのです。
でも7時を過ぎるとだんだんじんわりと汗ばんできますから儚くこの涼やかな至福の時間は消えるのです。
なぜインドなのにチャイではなくコーヒーなのか、南インドは昔からコーヒーのプランテーションが沢山あり、紅茶よりコーヒーが良く飲まれているからです。
コーヒーはブラックではなく、ミルクがたっぷり入っているカフェオレです。
ミルクも新鮮だし、コーヒーも挽きたて、濃いめに入れたコーヒーに温めた濃いたっぷりのミルク、香りもとても良く本当に美味しくインドにいる時の楽しみの一つになっています。
インディラがコーヒーを私に渡しながら必ず毎日聞きます。
「マダム、朝ご飯は何時にする?」
「そうね、今日は8時半頃にしましょうか」
「わかった、イディリ(米粉で作った蒸しパンみたいなの)とサンバー(豆と野菜の少し酸っぱい汁)とキャベツのサブジ(スパイス炒め)でいいか?」
「とても良いと思うわ」
「サーもそれでいいか?」(サーとは私の主人でこの時間はまだ寝ている)
「いいわよ」
「そうそう、レモンピクルスとポディ(Podi)とギーも忘れないで」
(ポディはチャナ豆、レンズ豆、コリアンダーシード、カレーリーフ、ガーリックヒング、フェネグリーク、マスタードシード、粒コショウ、唐辛子、タマリンド、塩、全部を合わせ、フライパンで炒り、ミキサーで粉にしたパウダーです。各家庭で材料は違います)
イディリにサンバーは南インド特有の朝ごはん、そして、イディリにポディとギーも我が家の定番です。
フカフカの温かいイディリをサンバーに浸して、口に右手で運びます。
次はイディリにたっぷりのギーとポディを混ぜたのを付けて口に入れます。何とも言えない美味しさです。いくらでも食べてしまうので、ほんとに要注意!!
もちろん、手で食べます、最初は慣れませんでしたが今は大丈夫、まかせて下さい。
でも、キャベツのサブジはフォークで食べます、あまり偉そうには言えません。
とにかく、少しでも冷めるとすぐに温かいイディリを持ってきます。
「冷めたイディリは美味しくない」と言って。
インディラが私達の食事の進み方から何が足りないかなど目を配っていますから。
最初のうちは落ち着きませんでしたが、今はもう当たり前に慣れました。それは彼女の仕事なのです。