ムンバイの建築
ゴアからムンバイに、50分程のフライト。この短いフライトでもコーヒーやTEA、クッキー、サンドイッチ(ノンベジorベジかと尋ねる)がでる。
忙しいったらありゃしない!!私達はすべて断り、水だけ貰う。
ムンバイの上空にさしかかると嫌な匂いが機内に漂って来る。冗談じゃなくてホント。
広大に広がるスラムの匂いが上空まで届くのだとしか考えられない。ムンバイの飛行場の周辺はスラムだから。そのスラムはトイレも、上下水道も無いのだ。早くどうにかしないと、インフラを早く整備しなければ。
ムンバイは人口の増加がこの20年で著しく、インフラが追い付いていない。居住地も少ないので、郊外に住まなくてはいけないがムンバイの鉄道整備もとても悪く、ムンバイ市内の家賃はウナギ登りに高くなっていく。何のインフラも無いスラムでさえ家賃を取る所が有ると言う。恐ろしい話だ。
だからという訳ではないが、植民地時代の建物がまだまだ使われている。年代物の建物、崩れそうな建物などが沢山残っている。
もっと手を入れれば綺麗に使えるのに….な~~
タクシーから見る景色もあの貧しい街並みから、市内に近づくにつれ、だんだんと活気をおびた街に変っていき、超高層ビルまで出現してくる。このすごい落差は何?これがそうMumbai!!なのだ。
ムンバイはマハーラーシュトラ州の州都でインド最大の商業都市。インド大手財閥の本拠地を始め、国内外の金融機関の本社、多国籍企業の処点などが置かれているインドで一番の経済拠点である。
今年はムンバイに3泊する。去年はトライデントホテルに泊まったが、今年はタージマハルパレスホテルに泊まる。ムンバイのTAJホテルは世界中に有るTAJホテルの総本山だ。
(2008年のテロ事件はオベロイ・トライデントホテルとタージマハルホテルが標的になった)
インド門の真向かいにあるこの歴史の深いホテルはタタ財閥が自分達インド人の為に建てた高級ホテルだ。イギリス植民地時代、いくら財閥であってもイギリス人のホテルにインド人は出入り禁止だった。インド門の真向かいに建てたというMr. TATAの気持ちが分かるような気がする。
石作りの城の様な立派な建築物だ。完成をみてイギリス人達はさぞ驚いたことだろう。
タージパレスホテルのタワー18階のインド門を見下ろせる部屋に案内される。
部屋から見るインド門に何か深い悲しみを覚える。
ムンバイのインド門は(デリーにもインド門が有る)英国王ジョージ5世とメアリー王妃のインド訪問の為作られた。デリーのインド門は第一次世界大戦でのインド兵戦没者慰霊碑としてたてられた。
私達の身近では無いインドと言う国が辿った近代への道のりを考える。もっともっとインドの事、歴史を知りたいと強い気持ちが起こる。
チェンナイではこの様な悲しい気持ちになる事は無かった、貧富の差はあるもののここまで酷くはない。植民地時代の面影も多く残っているが、南インドでは植民地時代の影をあまり感じなかった。気候のせいか?南インド人特有の明るさなのか、自分達は他のインドとは違うと言う気持ちが強いタミルーナンドウ州特有なのか?
インドの日本料理
話はがらりと変わり、今日のデイナー。
アメリカで活躍している有名シェフMr.森本のプロデュースでタージホテル直営ジャパニーズレストラン「WASABI」を予約。(2009年の秋にNY行った時、「モリモト」に時間の都合で行けなかった事を思い出す)
「WASABI」には去年行けなかったので、今回は絶対に行くとインドに来る前から決めていた。
内装はモダン&シンプル、ポイントに朱色を使っている。鮨カウンターと鉄板焼きコーナー、テーブル席。
鮨カウンターには日本人の板前さんが二人、インド人の板前さんが一人いる。
鉄板焼きのコーナーには、インド人のシェフが一人いた。
私達は鮨カウンターに座る。
「いらっしゃい」
「こんにちは、お薦め何かしら?」
「マグロが今日築地から入っています。」
魚はほとんど築地から仕入れていると言う。東南アジアの日本料理店では当たり前に築地から取り寄せているが、まさかインドで築地からとは思わなかった。
「じゃあ、僕はトロを早速だけど握って」
主人は生魚が苦手なのに鮨屋は好き。カウンターで食べるのが楽しいのだとか!!
食べられる魚はまぐろ、それもトロか中トロ、白身の魚、玉子焼き 以上。
トロが有ると聞いて、嬉しくてそれもインドでトロを食べられるなんて!!幸せな主人
「私は赤身ね」と握りから始める。
「WASABI特製ロールが美味しいですよ、それと手作りの豆腐」
(特製ロールとはソフトシェルをから揚げにしたのと、アボガドの太巻きでした)
「豆腐って?」
「今から豆乳ににがりを入れて作りますから、暖かい豆腐が食べられますよ」
「ワー美味しそうね!!」
とても美味しかったです。
私達が店に入った時間が7時とインド時間のデイナーには早い時間のせいか、店は静かだったが、9時近くにもなるとほぼ満席になった。
カウンターにひとり日本人の客が美味しそうにすしをつまみ、ビールを飲んでいる。
イギリス人らしき人がこれもひとりで鮨をつまみ、こちらは日本酒をお燗で飲んでいた。
何かほのぼのと良い感じだ。
テーブル席はインド人の家族(8人)がいる。3歳位の子供もいるがさすがにナニーが付いている。誕生祝いみたいだ。日本食でお祝いにちょっとビックリ!!
鉄板焼きカウンターにインド人と白人のビジネスマンが二人でステーキをたべている。
インド人のカップルも何組かいる。
日本食というのは中々インド人には難しいと思うが、たとえばNYに住んでいたとか、NRI(非在住インド人)で日本料理を分かっている人達。リッチでお洒落で最新流行の日本料理を知っていると自慢する人。彼女に日本料理を教えるとか!?
理由はともあれ日本食の様な繊細な味(インド人にとってはハッキリしない味)は美味しくないと思っていたので、こんなにそれもとても値段の高い店が満席になっている様子に感激する私。
客を観察しながら、日本人の板前さんにインドお魚事情等を聞き、インド人の反応はとか?インドの生活はどう?など楽しい会話も出来、満足なデイナーでした。
インドの本格的な日本料理に乾杯!!